ここでは実際に映画「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」を見ての評価と感想を書いています。
あらすじやネタばれもあるので下にスクロールする場合は注意してください。
イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密の評価・・・4つ星
原 題: The Imitation Game
製作年: 2014年
製作国: イギリス/アメリカ
出演者: ベネディクト・カンバーバッチ キーラ・ナイトレイ マシュー・グード
: ロシー・キニア アレン・リーチ マシュー・ビアード チャールズ・ダンス
: マーク・ストロング ジェームズ・ノースコート トム・グッドマン=ヒル
監 督: モルテン・ ティルドゥム
製 作: ノーラ・グロスマン アイドー・オストロウスキー テディ・シュワルツマン
脚 本: グレアム・ムーア
原 作: アンドリュー・ホッジェズ
第二次大戦時にドイツ軍が誇る史上最高の暗号機“エニグマ”の解読に挑んだ実在の天才数学者アラン・チューリングの時代に翻弄された過酷な人生をベネディクト・カンバーバッチ主演で映画化した感動の伝記ドラマ。共演はキーラ・ナイトレイ。監督は「ヘッドハンター」のモルテン・ティルドゥム。1939年。第二次世界大戦を戦う連合軍の前に、ドイツ軍が誇る最強の暗号機“エニグマ”が立ちはだかる。イギリスではMI6のもとにチェスのチャンピオンをはじめ様々な分野の精鋭が集められ、解読チームが組織される。その中に天才数学者アラン・チューリングの姿もあった。しかし彼は、共同作業に加わろうとせず、勝手に奇妙なマシンを作り始めてしまう。次第に孤立を深めていくチューリングだったが…。(TUTAYA Onlineより引用)
感想/レビュー
予告を見ておもしろそうだったので見てみました。
率直な感想は実話をもとにしたものにしては面白かったです。
ベネディクト・カンバーバッチの映画を久しぶりに見ましたが、やっぱり彼はいいですね。
若干暗い雰囲気の映画ではありましたが、個人的には十分楽しめました。
出演者にはドラマシャーロックなどに出演しているベネディクト・カンバーバッチ、パイレーツ・オブ・カリビアンなどに出演しているキーラ・ナイトレイ、ドラマダウントン・アビーに出演しているマシュー・グードやアレン・リーチ、Mr.スキャンダルなどに出演しているマシュー・ビアード、ドラマゲーム・オブ・スローンズなどに出演しているチャールズ・ダンス、キングスマンなどに出演しているマーク・ストロング、エベレスト3Dなどに出演しているトム・グッドマン=ヒルらが起用されていました。
ドラマに出演したことのある俳優さんが多く起用されていた感じですね。
イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密予告編動画(これからみようと思っている方に)
以下からはネタばれになりますので注意してください。
内容は第2次世界大戦時に天才数学者が誰も解けなかった暗号システムを解読するというもの。
1951年、数学者アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)に泥棒が入り家の中が荒らされてしまう。
だがやってきた警官にアランは盗られた物は何もないからすぐに出て行ってくれと言いだす。
この言動に一人の警官が何か隠しているのではないかと疑問を抱きアランについて捜査するようになる。
時をさかのぼり、1927年アランは寄宿学校で同級生からいじめを受けていた。
そんな彼をいつも救ってくれたのは唯一の友達であるクリストファー・モーコム(ジャック・バノン)だった。
ある時クリストファーは暗号解読についての本を読んでいた。
その本に興味を抱いたアランにクリストファーは君は暗号解読に向いているかもしれないと言い本を貸してくれた。
それからアランは暗号解読の世界にのめり込んでいく。
しばらく経つとクリストファーと暗号でやり取りするようになっていた。
しかし長期休暇で2週間彼と会えない日々続いた。
2週間後、アランは同性でありながら恋心を抱いていたクリストファーに暗号で気持ちを伝えようとしていた。
だが多くの生徒が帰ってくる中、休暇が終わってもクリストファーは帰ってこなかった。
その後アランは校長に呼び出される。
そこでクリストファーは白血病で死んだということを聞かされる。
アランはクリストファーのことを知ったような気持ちになっていたが、何も知ってはいなかったのである。
1939年、アランは軍に呼び出されブレッチリー・パークを訪れる。
アラステア・デニストン中佐(チャールズ・ダンス)との面会でアランは正直に受け答えするがそれが相手の気に召さない。
デニストン中佐はアランを不採用にしようとするが、アランが呼び出されて理由をエニグマの解読だろうと口にする。
それは最高機密でドイツ軍が使っていた暗号だったのだが、アランは自分なら解読できると豪語した。
これを聞いたデニストン中佐はアランを採用し、暗号解読のチームに加えた。
そのチームにはチェスの世界王者であるヒュー・アレグザンダー(マシュー・グッド)やジョン・ケアンクロス(アレン・リーチ)、ピーター・ヒルトン(マシュー・ビアード)、キース・ファーマン、チャールズ・リチャーズと言った各分野のエキスパートがそろっていた。
デニストン中佐はエニグマの本体を皆に見せると、アランは150×10の18乗通りの暗号の組み合わせがあることを瞬時に見抜く。
アランは人海戦術で行うような暗号解読には参加せずに独自に暗号解読のためのマシンを考え始めた。
チームの人間はそれをよく思っておらず、アランはここでも孤立する。
しばらくしてアランが考えるマシンの設計図が完成した。
アランはデニストン中佐に10万ポンドの出資をお願いするが却下される。
アランはデニストン中佐の上司であるウィンストン・チャーチル首相に直訴の手紙を書き、MI6のスチュアート・ミンギス少将(マーク・ストロング)に手紙を渡してくれるようお願いする。
するとチャーチルはその嘆願を聞き入れ資金を援助するとともに、暗号解読のリーダーにアランを指名したのである。
その直後アランは暗号解読には不要だと言いファーマンとリチャーズを首にした。
これには他のメンバーも不信感を募らせていた。
アランは一人でマシンの製作に取り組んでいたが、他のメンバーは相変わらず人海戦術で暗号を解読しようとしていた。
だがアランがクビにしたことで人手が足りなくなっていた。
するとアランはクロスワードパズルを作成しそれを新聞に掲載。
10分以内に解けたら素敵な仕事があると宣伝し、優秀な人材を募った。
すると多くの人間がそのクロスワードを解いて選考にやってきた。
その中に一人だけ女性のジョーン・クラーク(キーラ・ナイトレイ)の姿もあった。
アランは自分でも解読に8分もかかるパズルを受験者に6分で解くよう指示し、解けなくてもその過程で何をするかを見極めようとしていた。
だがなんとジョーンはわずか5分足らずでパズルを解いてしまったのである。
アランはジョーンともう一人男を採用し、ブレッチリー・パークで働かせることに。
だがジョーンは両親から男性ばかりの職場では不安があると言われ就職を反対される。
するとアランは自らジョーンの両親の元へ行き説得を試みた。
そしてジョーンが通信傍受係の女性職員と同じ場所で働けるよう手配したのである。
アランは夜になると彼女のアパートを訪れては暗号を持っていき意見を出し合っていた。
しかしある時、メンバーの中にソ連のスパイがいるという情報が入ってくる。
真っ先に疑われたのはアランだった。
デニストン中佐はアランのデスクをひっくり返しスパイの証拠がないかを探しまわった。
当然その様なものはなく、結局スパイが誰かは不明のままに終わった。
その後もアランは黙々と一人でマシンを作り続けていたが、そんなアランを見かねたジョーンは一人ではエニグマを解読できないと忠告する。
するとアランは仲間にリンゴを渡すなどしてコミュニケーションを取ろうとしたのである。
この時からアランと周りの関係は徐々に改善され始める。
そしてついにアランが作っていたマシンが完成する。
そのマシンはクリストファーと名づけられ早速暗号解読を行わせたが、1日かけても機械が止まることはなかった。
この報告を受けたデニストン中佐はもう潮時だと考え、アランのクビとマシンの破棄を命じるが仲間のヒューたちがそれに反抗した。
これにより1カ月の猶予を与えられることになる。
だがいいことばかりではなかった。
ジョーンが両親に実家に帰ってくるよう言われたのである。
理由はいい年した女性が未婚のままでよくわからない職場で働いていたからである。
アランは引きとめようとするがジョーンは両親を裏切ることはできないという。
するとアランは結婚すればいいんだなと言い、テーブルに置いてあった針金で指輪をつくりジョーンにプロポーズしたのである。
ジョーンもプロポーズを受け、2人は婚約することになる。
ただ1ヶ月の猶予は刻一刻と迫っていた。
アランたちがいつものように酒場で酒を飲んでいると、ヒューがジョーンの同僚にアプローチをかけ出した。
そのアプローチはうまくいき2人はしたくなるのだが、この時の会話でアランは重要なことに気が付く。
通信内容に特定の言葉が含まれると分かっていれば、装置がそれを復号するようにプログラムすればよいのだ。
ドイツ軍の暗号には毎朝必ず天気に関する情報が流されており、その中には「天気」「ハイル」「ヒトラー」という決まった言葉が含まれていた。
真夜中だったのにもかかわらずアランはブレッチリー・パークに戻り装置の調整を施した。
すると暗号解読から数分で装置はとまったのである。
アランはその装置から得られた情報をエニグマに打ち込み、暗号文を入力してみた。
すると見事に解読できたのである。
アランたちは翌朝までに全ての暗号を解読し、敵軍の船の位置などを全て把握した。
それによって敵軍が攻撃してくる位置などがはっきりとわかったのである。
ヒューはすぐにデニストン中佐に連絡しようとしたがアランはそれを止めた。
戸惑う仲間たちにアランはここで船を救うことはできるが、それをやると暗号を解いたのがばれてしまうと言った。
それを聞いた仲間たちは納得するも、仲間のピーターは兄が乗っている船が撃墜されそうになっていると言い助けてくれるようアランにお願いする。
だがアランにもどうすることもできなかった。
翌日、アランとジョーンはミンギス少将に会いに行き暗号解読のことを伝え、これがデニストン中佐にもばれないよう情報操作してほしいと頼んだ。
そして今後作戦に使った情報はエニグマを解読したものではないという偽の情報を流すよう求めたのである。
ミンギス少将はこれを承諾し、エニグマを解読したことは最高機密として扱われることになった。
その後、暗号解読は順調に進んだが、ピーターのアランに対する風当たりは悪くなる一方だった。
そんな時、偶然からアランはソ連のスパイがケアンクロスであることに気が付く。
ケアンクロスは自分がスパイだとばらせば暗号が解読できたことをデニストン中佐にもばらし同性愛者だということもばらすと脅される。
どうしていいかわからないアランはジョーンのもとを訪ねると家の中にはミンギス少将がいた。
ミンギス少将はジョーンにソ連のスパイの容疑がかかったと言ってくる。
これを聞いたアランはスパイはケアンクロスであることを教える。
だがミンギス少将はこれを知っていた。
スパイとして操りやすいケアンクロスはそのまま泳がせ、自分たちの都合のいい情報だけをソ連に流していたのである。
ミンギスはこれはここだけの秘密だといい、これが知れ渡ればジョーンの身に危険が及ぶと警告してくる。
彼女を守りたい一心のアランはジョーンに婚約を解消し実家に帰るよう話した。
ジョーンが理由を聞くとアランは自分が同性愛者であることを明かした。
だがジョーンはそのことに気が付いており、それでもいいと言ったのである。
それに対してアランは自分はジョーンのことを好きだと思ったことはないと嘘をつき彼女を遠ざけようとするが、彼女はそのまま仕事を続けてしまう。
その後、クリストファーによる暗号解読によりイギリス軍は戦争に勝利する。
ミンギスは職員たちに自分たちの仕事の一切を破棄するよう指示し、仕事内容の口外や再び互いに会うことを禁じた。
1951年に戻り、警察に疑いをもたれたアランは同性愛者であったことがばれてしまう。
当時同性愛者は犯罪者として扱われ、時には死刑となることもあった。
アランは警察の取り調べでイミテーションゲームと称しこれまでに行ってきたことを話し、自分がマシンか人間かはたまた英雄なのかと問いかけた。
だが警察には答えることはできなかった。
その後アランは同性愛者として有罪となり、2年間の服役かホルモン治療のどちらかの選択を迫られる。
仕事を優先するアランはホルモン治療を選択するが、彼の体は次第にボロボロになって行く。
そんな時、ジョーンがアランの元を訪れる。
ジョーンはあれから結婚し幸せな家庭を築いていた。
だがジョーンもアランの変わり果てた姿を見て愕然とする。
ジョーンはアランのおかげで戦争が終結し、何万人もの命を救ったのだと励ます。
そしてかつてクリストファーがアランに、アランががジョーンに言った台詞「時として誰も想像しないような人物が想像できない偉業を成し遂げる」という言葉を聞かせるのだった。
アランがホルモン治療を始めてから1年後、アランは孤独に耐えきれず自殺してしまう。
その後エリザベス女王はアランの功績がなければ戦争終結は2年以上遅かっただろうという声明を出し、アランに死後無罪という恩赦を出したのだった。
・・・という感じです。
最後の方は結構悲しい終わり方でしたね。
やっぱり天才と呼ばれる人間はどこか変わっているんですね。
このアランが作った装置はその後コンピューターとして発展していくことになるのですが、すでにこの時原型を作っていたアランは本当にすごいですね。
以上がイミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密の感想とレビューでした。